エクスキューズと超(長)余談

●思うところを書いたら長々… 2011年4月28〜30日の社会派の雑記●


▼「不謹慎」について こういうサイトは「不謹慎」と言われそう。箸休めなエロスの置き場。生きるということの楽しみはこういうことだから。生きている以上は、tsudaさんの言うとおり、被災地にだってズリネタは要るさ。

▼日本経済が低下する。震災の生産設備毀損と電力不足。原発事故の放射能汚染被害と日本ブランドの価値低下。輸出・観光・農水産業・外食産業等々に打撃。今年前半はたいへん。復興需要が来る今年後半もそうとう上手くやらないとおカネが回らない。

▼ところが「トップ無能 現場有能」だからね。日本は伝統的に。混乱期にならないと優秀有能な人が上位トップに行かない。

▼富はどこから来るのか? 庶民もエリート層も知らないのでは? 経済成長って民間銀行を支点にする際限の無い自転車操業。中央銀行の出すマネーが10倍に膨れあがるレバレッジ(信用創造)。「できる人」と「できる企業」が次々借金し続けるかぎり経済は成長する。その時々の需要に合致した「有為の財とサービスが供給される」とされる。

▼怪しい経済原理だけど、今はこれよりマシなルールが実用化されていない。

▼おカネというツールと使って、何を目的に資本主義社会という名の奇妙な何かが組立てられているのか? それは「人を育てる」「企業を育てる」ことなんだよ。日本のオトナたちは無自覚だ…… 社会主義、集団主義、全体主義が好きなんだね…… 掛け声と標語だけで世の中が良くなると思うの? 権力ジーサンたち? 精神主義と集団主義で勝てるなら二次大戦で敗戦国になったりしません。

▼たまたま戦後40年から50年間、世界経済で日本型集団主義戦法が通用した時期もあったが、とっくに東西冷戦時代は終わり、日本は高度成長用の仕組みが有効性を失って有害化し、人も企業も老齢化している。経済老大国。


▼あと四・五年で国内での国債消化の臨界点をむかえると言われている。国内の預貯金で消化できないとなると、「日銀に買わすか」「共産中国が買うか」の二択。ゆっくりインフレに向かうのか。

▼いずれ「日本円」の価値低下で、今起きている問題はすべて解決する。ありとあらゆる商品とサービスの値上げという形で、実質給与の低下で、名目上の税収増加で、乱暴な帳尻あわせで「国全体が貧しくなる」という形で解決する。

▼数十年のデフレに苦しんだ大英帝国。経済力一位、軍事力一位、通貨ポンド一位、科学技術力一位、情報通信力一位、トップの教育レベル一位(これは今でも上位)、世界中の植民地国から富を収奪するスーパー大家……

▼そんな元世界一の覇権国家イギリスも二次大戦後ダダ下がり、元一等国が現在六位! どっかの経済二番の国はもっと下行くと思う。トップが無能の少子高齢化の国が急に経済で奇跡を起こせるわけがない。

▼世界史には日本の先例がある。1970年代の老大国イギリスよりは下に行くと思う。
1930年代の第三共和政フランスよりはマシ。3年で11内閣の政治体制、[追記: 第三共和政の70年間で100内閣以上。平均一年ない。短命。] 今の日本よりひどい。弱体化の果てに最終的にはヒトラー率いるナチスドイツに侵略されて完敗し分割占領された。ここまではいかないだろう。

▼戦後フランスはナチスにボロ負けした屈辱とトラウマと反省から、強いリーダーを出す第五共和政へ、首相がトップから大統領がトップの国に移行した。[訂正: 弱かった大統領の権限を大きく強化した。] フランスは自主自立の大国。水爆も原潜も保有。国際的に反対されようがムルロア環礁で水爆実験するくらい。核抑止力の神話には「合理」があるから。

▼福島第一原発は日本の政官の保守権力が核物質の保有を狙う一環で作った。準核保有国という暗黙の抑止力を期待。アメリカの手の平の上で原子力技術を導入。原発は国策。巨大利権へ。そして40年後の破局――

▼福島第一原発事故の原因と事故後の不手際は「トップ無能」に由来。
「無能なトップ」を出してしまうのは国民性に由来。結局は「なあなあ」がいいから。優秀なトップでは困る。なぜなら国民は「既得権益」でもあるから。正当な手順を踏んで「無能なトップ」を輩出している。民意で「無能」を選んでいる。

▼日本国民の「建前」と「本音」 どちらの側面から見るか?
きれいごとの改革は「建前」、既得権保持は「本音」。マスとしての日本国民は両面を持つ。
日本国民は自らすすんで政府官僚機構という権力に協力している。自らすすんで「だまされている」 「利」がある間は共犯し「依存」する。

▼その「利」の元は「できる」輸出メーカーからの税収。高度成長期に稼ぎまくった「できる」輸出企業群がこの20年ですっかり弱くなり(ソニー、三洋、シャープ、パナソニック等々)、他国の企業に次々抜かれ、今は往時の「税収=ショバ代=上納金」は無い。「利権屋の親玉で化石のような旧来型の仕組みを変えられない」政府官僚機構が配分出来なくなりつつある。既得国民への「損」と「利」がどこかの時点で臨界点を超え 「だまされた」 になる。

▼未来で既得国民は 「だまされた」 と言うだろう。美しくないし醜い話だ。

▼敗戦前までは軍部/日本陸海軍は正義でヒーローで、A級戦犯の東条英機首相が賢い指導者扱いだった。敗戦後、評価が真逆に逆転する。新聞社は軍部を売って新たな支配者GHQに媚びを売り、自分たちは生き延びた。戦争を煽り330万人もの日本人を死なせた一大責任があるのに、大罪を贖罪せず今に至る。

▼現在、東電株価が暴落したので、東電株主が 「だまされた」 になっているのだろう。そんなアホな意見をチラホラ目にする。
いや、あなたがたは株主でしょう。私企業は株主の所有。「だまされた」どころかそんな経営を優良と言って承認し後押しした責任があるのだが? 国がカネを出せ? 株価上昇で儲けたときは国に寄付でもしたの? っていうか株を売ればいいだけの話。売り買い自由。株主は有限責任。株の額面以上の責任は追及されない。

▼東電は地域独占でふつうの会社じゃない。役所よりも役所。客は電力会社を選べない。電気料金は言い値で買わされる。「電力自由化」は必要。
この原発事故も日本の腐った既得権益が崩れてゆく崩壊過程のひとつだろう。


▼「国民」はなんとでもとれる曖昧な言葉。
よく官僚が国会答弁で使う。あちこちで連発する。ふむ、キャリア官僚も確かに「国民」だからね。「国民の利益」イコール「省益」 「国民のために」イコール「官僚のために」だよね。

▼今の豊かさを維持したまま、「ドラスティックな税源と税配分の、有効で有為な内需中心の、行政が国民の資産・健康情報をガッツリ管理する、新しい経済政治体制は創造できるか?」 と訊かれれば、自分程度ではわからない。それが必要だろうとは思うが、とても難しそうだ。

▼内向き鎖国経済なら、現代文明の豊かさを無視するのなら出来る。江戸時代がそうだった。鎖国と自然エネルギー循環の閉鎖経済。が、それでは本末転倒で、平均寿命がガタ下がりの厳しい生活。ああ、今回の震災で避難所暮らしの方々は江戸時代レベルの生活を強制的に経験されて―― 日本の平均寿命の高さの理由が少し判った――


▼日本の官僚機構は奪うだけではなく与えている。近代都市生活を。ソ連官僚統治でもそうだったように、それなりに規格化した都市文明を官僚機構は作ってしまう。
「安全」にした「功」はある。江戸時代や明治大正戦前に較べれば、衛生面も住環境も医療水準も医薬品も都市インフラも食水準も、格段に良くなった。平均寿命の高さがその成果ではある――

▼「その功に較べれば、放射能汚染がなんだ?」 というわけには行かない。国土の消失、国を汚したのだから。

▼東北電力の女川原発は貞観地震を想定[訂正: 正確には1611年の慶長地震津波を想定]し設計・建設され、今回の津波被害に耐え、無事に冷温停止した。

▼福島原発の津波の危険を警告し予言するような共産党国会議員の質問もあった。他にも警告は多々。ようするに「想定外」はウソ。

▼原子力技術には罪はない。人に罪がある。「安全」を盾に天下り団体だらけにしたのに、彼らは過剰な安全を言い立てたのに、結局は人治主義で国を失った――

▼「豊かな日常」を破壊する第三の敗戦――


▼富はどこから来るのか? 自然からの収奪という側面もある。若者という自然も、その輝きも、収奪されたのだろうか? 歴代の若者たちが――

架空のキャラクターだが、ハルヒの怒りと苛立ちは、この収奪に由来するのだろうか。
絵空事で描かれた現代都市文明の枠内でのリア充ぶりも解決策のひとつなのだろうか。

(いや、ハルヒはただ単に痛い子で深い理由はないのかな? 生理のせいかな?。。。)


▼デフレは貧乳。インフレは巨乳。
マイルドインフレは美乳。高インフレは爆乳。ハイパーインフレが超乳。
ジンバブエは超乳。中国は爆乳。日本は貧乳。



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