触手フェチもの

ウェイト・ウェディング――触手強化女兵士

うぇいと・うぇでぃんぐ――しょくしゅきょうかおんなへいし

ひんぐるみりは 作
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軍の訓練施設。夜のジム。ウェイトマシンが並ぶ。
汗を流していた。一人の女兵士が。
彼女以外は無人のトレーニングルーム。
ウェイトやダンベルの――硬い金属同士がカチカチとぶつかり合う無機質な音が響く。
筋肉を鍛える女軍人の、ストイックなまでの精神。
姐と呼ぶのが相応しい。淡々とメニューをこなす。
きもちよさ半分、苦痛半分で――負荷に喘いでいた。
すでに輝くような半裸体は、セクシーに、汗まみれに、濡れている。
ノーブラのシャツの下から、乳首が突き出している。布地の上から、形が露骨なほど、透けて見えている。ぷるぷると太腿も熱く、流れる汗は、大粒の真珠のような玉となって、アクセサリーのように輝いている。
全身の筋肉が心地好くパンプアップし、女体は熱くなっている。筋肥大であった。筋繊維に血潮が流れ込んでいる。パワーと戯(たわむ)れる、戦闘牝ボディのアドレナリン・タイムだ。


女兵士の性欲は――秘められていた。心奥に。
いや、持て余す性欲を、ウェイト・トレーニングにぶつけていた。高負荷である。重量は凄い。男並みだった。一般男性には到底無理なウェイトが、どかどかと山みたいに載っている。
豪快な負荷を、敢えて肉体に与えていた。夢中で体を動かした。次々メニューをこなす。単調な動作を繰り返す。
気迫は、引き締まった美貌から、喘ぐような、甘い吐息とともに、バーベルを持ち上げ、ダンベルを上下し、重りを引いた。鉄塊をリフトをした。全身をしごき抜いている。
日々の過酷な鍛錬は、女の肉体に、究極ともいえる美しさをもたらした。鋼(はがね)の強靭さを。強さを。
皮下に溢れる筋肥大が、美しい輝きを与えた。


肉体鍛錬に夢中になっている女戦士の周囲に、霧のような影が湧いた。


白っぽいものが、突如として現れた。床から、壁から、天井から、わらわらと群がる。女体を目指して――標的は、激しい運動で無自覚に発情している―― 無意識に贄(にえ)が発する性フェロモンに、惹きつけられるように――

妖かしの影たちは、どんどん実体化してゆく。急速に形を持ってゆく。物理化してゆくのだ。おぼろげなるものが。魔性の物共が。
それは異界からの、巨大な触手の群体であった――


気づくと四肢を絡みとられていた。太腿から肉が飛び出す。肉紐や、生縄の間から、どん!とボンレスハムみたいに、二重三重に女体を覆っていく。肉の蔦(つた)に、肛門をいじくられていた。性器を弄(いら)うものがいる。
シャツは、得体の知れない分泌液の作用に分解されて、半溶けの白濁ローションと化して、エロく貼りついている。腹と胸部と乳首にドレッシングみたく掛かっている。


戦慄と恐怖は――すぐに消えた。
人外の前戯の異妖異常なテクニックに、勝手に体が、気分を出しはじめた。女本人の意志を無視して、鋭敏に感じはじめた。


とびきりの筋肉女体が、犯されはじめた。筋肉質ボディが、淫らに、悩ましく、うねくる。
トレーニングルームで合体した。人外なるものと。
人あらざる――この世のものでは無い、魔が誘うもの―― 妖気が満ち満ちてゆく。はちきれんばかりに。それらは告げている――異界の生殖器群との融合。淫なる戦闘花嫁。人魔の契り。
女肉が、魔へと嫁いだ。


愛の儀式が始まった。
巨大な触手が熱いぬるみと共に、女コマンドの口腔にどんどん侵入する。
限界以上に開いた唇に、スペルマみたいな白っぽい粘塊が垂れまくる。そして突っ込む。熱い進撃は、恐ろしく太い。
どうして息ができるのか、呼吸不可能なサイズだ。完全に塞がっている。人外な異肉を咥(くわ)えて、白眼を剥き、女兵士はよがり狂っている。

下からも入ってくる。極太い触手が、ぬるぬると、排泄の逆の感覚であった。逆さまの性感に、驚愕のリビドーであった。アナルは快楽に支配された。アナル・アクメが沸騰する。突出する。腸内中がセックスされた。舐められ、溶かされ、粘着感と融合と侵略に、愛されてゆく。愛し抜かれてゆく。

頭頂から致死量を超えた快楽物質の大量分泌に、鍛え抜かれた女軍人の肢体は発狂した。性感が炸裂する。好ましい状態になる。無意識下で、望んでいた以上の快楽が来る。それも大量に。致死に達するほどの暴力的な生殖の性感が、いっぱいだ。

アナル属性が全開になる。女として開花する。
訓練の日々に忘れていた感覚。肛虐が大好きになる。肛門が直腸が、求めている。たくましい尻が、もっともっとと。

肛欲の極みだ。たぎっている。直腸が欲しがっている。求めて蠢(うごめ)いている。濡れた蠕動(ぜんどう)は、太きものを、熱き異肉を、さらに、きつく、深く、突っ込まれたがっている。牝のお尻が泣いている。

呑み込んでゆく。快美がくる。
妄欲が限界に達した。超弩級の、発狂級の快楽がくる。

「ひい!」

肢体がひん曲がる。耐えきれない。
ご褒美が来た。肛門にもう一本、駆け上がってくる。前世からの超縁であった。それが結したのだ。白き蛇のごとき、極太の触手が、ケツ穴に入ってくる。容赦の無いぬるみが、恐るべき快感を伴なって、入ってくる。


そして―― 待ちに待ったところを、前を攻略されようとしている。
淫液まみれの性器が。肉の洞窟に、破廉恥な窄まりに、キュッと固く閉じた穴を、頭部を潜り込ませた。天然油を塗(まぶ)した、異界の半球状の肉が、妖液に塗(まみ)れて、鯉の滝昇りのように昇ってゆく。

性器に突入した。挿入感覚は太い! ごつい! 長い! ずるずる際限無く入ってくる。無慈悲に入ってくる。濡れた穴に、入ってくる。自在に膨縮し、子宮内にすら侵攻し、実の子のように居座った、圧巻の量感に――。
知覚は、嬲られる。潰されるだ。おっぱいごと潰し揉まれた。肉という肉が揉み潰された。お尻ごと舐め吸われた。人外の技であった。感じる脂になってゆく。
それ以上のレベルの淫心淫欲、欲望を汲み取って、こんなにも凄い異肉を与えられては、死亡してしまう。イッてしまう。魔が与えし刺激は、人ならぬ快楽の蜜は、繊細華麗なる美技は、発狂ものの壮絶な快美であった。

「いい……」

考えもなしに口にできるほど素晴らしい。法悦と悦楽のワールドだ。エロスの超新天地。新次元セックスの総解放区――。

超性の太すぎるうねくりが、生々しい分泌液を熱くぬるませながら、膣腔内で、とぐろを巻いていた。
女の意志を反映して、それらは即座に反応した。即応であった。小気味の好いレスポンスであった。
究極のセックス・マシーン。性の歓びを貪(むさぼ)り、快楽を生産し撒き散らす、異界の生命体。歓びを産み出す、驚異の超常異生物。


小ぶりなおっぱいに巻き付いている。
ニプルファックであった。触手である。信じられない。乳首に入ってくる。
人間でなくなってゆく。超人化してゆく。とめどなく肉体が、快楽を求め、快楽をぶち撒けるだけの、震わせるだけの、肉塊と化して、淫塊と呼ぶべき、性の人形と化すのだ。
アナルが汁を、透明感溢れる熱い体液を、戦闘牝のボディは、さわやかに、というより、凄まじく、ぶち撒けた。噴出する女の液は、発狂しそうなほどに圧倒的な、暴噴と言っていい分泌ぶりの凄さであった。
それに呼応するように、乳輪は母乳に濡れはじめた。乳首の肉感は、ぶん!と撥ね返した。

汁まみれだ。激しく胸で息づく熱い牝のボディは。潤いの極みだ。
女戦士が、突っ込まれてはならぬところを突っ込まれている。
多重に性器だった。複数本だ。重姦とでも言うべき、過剰なる強犯に、もう、張り裂けていた。わずかな隙間から、蜜にぬめっている。若牝が溢れさせた蜜だ。愛液が溢れる蜜壷だ。裂部は淫汁まみれだ。涎を垂らすように滴り落ちる太い筋。

苛烈なトレーニングを積んだ肉体が、戦闘体が、よがり狂っている。複数本の触手を連ねたまま、運動器具に、跨(またが)った。マシーンを破壊した。パワーが凄すぎる。超人と化している。
「ああ〜〜っああ〜〜っ!!!!!!」
ダンベルが引き千切れた。数トンの握力に、鉄が飴のようにひん曲がり、握り潰されたのだ。強化触虫との融合が可能にした人外のパワーであった。

「うおおおおおおお!!!!!!!!」

女兵士が、ファイナル・ウェディングしてゆく。半透明の白い粘膜が花のように、大輪のバラのように、肉から生えて、広がってゆく。美しい。エロスの花だ。異界と人界との合作物。エロスの妖花となり、鮮やかに熱を発していた――。



男たちの声。上官である。

「見たまえ。あれが戦闘体だ。」
「融合がどうやら完成したようだな。」
「大統領に報告を――」



数日後、女は白昼の実験場にいた。

触手スーツを着込み、快楽に奮えながら、戦闘行為に従事する超強化特殊兵士。どろどろと熱いぬるみの中で、スーツの内側は、熱湯のようになっている。強化液で満たされていた。内も外も。ウェアは蒸着されたみたいに、薄く貼り付いている。
感覚は超鋭敏。数十キロメートル内の「敵」が知覚できた。自動操縦地上攻撃機。フルオート無人戦車。突っ込んで来る強大な標的に、無慈悲に、人間兵器としてのパワーを発揮する。人の数十倍数百倍のスーパーパワーを見舞った。振るってあげた。金属の粉塵が、爆煙があがる。鉄片が飛び散る。一瞬で。舞い跳ねる度に。殺戮の美獣だ。

肛門から性器から、汁が、快楽物質が、汗や廃液にまみれて、垂れ噴く。スーツの内で。精神に重篤な副作用があった。脳も心も蝕んでゆく。強化の代償であった。廃人になりつつ、ルーチン・ワークとしての冷徹な戦闘能力は保持している。

触手強化女兵。スーパーウーマンであった。出来映えは、まずまずといったところか。第一段階のテストには合格した。
だが、敵との遭遇に、ただ機械のように反応するだけの戦闘マシーンでは―― オペレーション・目的を持った作戦への、量産化と実戦投入にはほど遠い。改良の余地があるようだ――。
跳躍力、破壊力、機動力、防御力の異常なアップと、人外の戦闘能力の獲得を果たした人触融合型生体兵器の――当面の課題であった。




end



07/4/4 UP
08/2/22 ケアレスミス修正
09/8/12 一部修正

あとがき

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