エッセイ

特殊フェチ考察

-筋肉と超人とエロスの興亡-

ひんぐるみりは 文
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● はじめに――

筋肉女・超乳・膨乳・ふたなり・触手等の、逸脱系の快楽についての、私見を色々。
特殊フェチ周辺を語るつもりが、余談の方に大幅脱線したエロス談義を以下。
見出しごとに飛ばせますので、つまみ食い的に読んでもらっても幸い。




 
● 筋肉女体の魅力

筋肉は力の象徴です。

スーパーマン、超人、あるいは人外、モンスターとも言われるような、神のような、筋肉隆々の肉体は、破壊神であり、ちょっぴり創造神でもあります。ゴツくてムキムキの筋肉は、単純明快なわかりやすさで、力を所有する快楽快美を絵で伝えます。視覚で解る、筋肉体の魅力。
古来から大力無双の大男、パワー系の英雄の伝説は各国に多々有ります。(ごくまれに怪力美女の伝説もね。)

だけど現在、少年漫画誌等のヒーロー像にはマッチョ路線、バルキーな肉体美は従来ほど人気無し。すっかり影をひそめた感じ、どうにも流行って無い感じですね。

じゃ、男の子たちの筋肉への憧れは、まったく無くなったって? いえいえ、「ロボットもの」が現代人のマッチョ信仰じゃないの?って当方は思うんですよ。形を変えた筋肉ものであると。
ドライな現代人にはこちらのパワーアップ法が好まれるようです。


 
○ 余談 ロボットものはメカ・マッチョ


ロボットアニメで、クレバーな少年主人公たちが、スマートに装着する人型マシーンこそが現代の筋肉です。
メタルの筋肉群に溶け込むように搭乗、アタッチメントな手足の強大化、凄まじいパワーアップは、マシーンによる筋肉ドーピング。
銃火器群、殺戮火器とも融合し、圧倒の殺傷力をも身体化。メタル・マッシブ――金属筋肉体との合体が、ロボットもののエロチックな魅力の核。
要はあの細い少年たちも、搭乗する度に身体感覚はマッチョにパンプアップしているってこと。

ロボットものは、圧倒的な破壊力、驚異の戦闘力、超人的機動力、人外のパワー、強さを、割とお手軽に手に入れられるという、男の子のロマン?ですね。努力無しで、鍛錬抜きで、機械の身体と融合して、人間を超えた存在となって大地を駆けられる。空を飛びまわれる。あっさりインスタントに超人になれる。まさに解放ですね。現実世界のつまらん日常との落差がとってもでかい! この妄想は非常に人気が高く、世代を越えて支持され続けています。
(日本生まれの子供向アニメのアイデアが世界のスタンダードにさえなったような観もあり。)

メカを操って、身体能力を数百倍数千倍に向上させることは、戦士/パイロットの喜び。重くてごつい戦闘服。モビルスーツとは言い得て妙。
神のごとき破壊のパワーを有することの官能性。機械と一体化し戦うことのセクシーさ。

現実世界でもメカによる身体能力拡大はたくさんあります。一般人でも入手可能なバイク、スポーツカー。プロにならなきゃ操縦するのは無理な戦車、戦闘機。
特に昔のゼロ戦の搭乗員はもの凄い快感だったろうと。(コックピットは超鋭敏化した性感帯のごときモノで、そこに全身を没入させるような感覚だったろうとは、作家・赤瀬川原平の指摘。)

元々ヒトという、生身の歯と爪だけでは、動物界の中でも相当弱い知的動物には、殺戮の道具、銃火器、刀剣、ナイフ、竹槍、ゲバ棒(古いな……)等の、殺傷力・攻撃力をアップさせるような暴力の道具への異常な憧れが有り、また、それら以外にも、道具を持ち、使うこと自体に、原始的、本能的快感が有るようです。手を使うことが一大特徴な知的動物だから? (道具への信仰、幻想みたいなものすらありますね。新しい便利な道具を所有すればなんとかなるんじゃないのかっていう…… たしかにある種のマシーンを使うのには努力が要らない。知性人格に関係無く誰でも機関銃は撃ててしまう。安易安直イージー。それがいいとも言えるし、どうかなーという面も。)


機械を使って超人化するか? 生身の体のままで超人化するか?
どうせパワーアップするのなら、当方は、全身の筋肉を怒張させ、生身の体を、筋量でムキムキにさせた、筋肉美少女、筋肉美女の姿に、有機的変態の極致と、生体兵器としての圧倒的な美しさ、殺戮天使、地母神としての神々しさ。その強烈な肉体変身に、凄まじいリビドーを覚えるのですが、こちらは人気の無いマイナー妄想ですねえ。アメコミが細々とこっちの路線ですかねえ。

ガンダム系殺戮兵器への変身を生身でやる絵を妄想すると、メチャメチャエロいですねえ〜。女体だとなおのこと、性倒錯もあいまって素晴らしい変態絵が脳裏にチラチラと見えます……


 
● 余談 ガンダムシード火器総発射シーンは射精

ガンダムシードはなぜ売れたか? ファーストガンダムの焼き直し企画、商売としては大成功。ドラマは初代と較べると明かに劣化している。薄くなっている。絵は、まー進化しました。キレイに、清潔に、軽く、今の絵ですな。

チラと見たかぎりですが、そんなガンダムシードの絵にもエロスを感じたことを語ります。
(たしか続編の最終回) 二次性徴が始まったばかりな若牝若牡たちが搭乗するガンダムらが、リビドーをぶち撒けるような戦闘行為。これがエロい。過剰かつ大量に装備された火器群の、なんとも誇張された全方位発射シーン。真っ白い激光、射精しているみたい。ビーム=射精 しかも大量同時複数本射精ですよ。快感あるだろうね〜。光のザーメンが画面に溢れんばかりに。
そして射精の果てにターゲットを、標的を、破壊するという。きもちいい! たっぽしエロスです。これはウケるだろうなと思います。
射精チックな発射シーン・爆発シーンが多。戦闘シーン、破壊シーンの徹底したサービス。理屈はともかく、絵にして見せる演出。商品として正しい。

話やドラマでは、オリジナルのファーストガンダムをまったく越えられない、もっぱら劣化縮小再生産なシリーズだそうですが、絵では、視覚の快感は、越えた部分があったと言える。というのが、当方の感想。


 
○ 余談 ロボットアニメのおもしろさとは?

ロボットアニメのおもしろさの核にあるのがロボット同士のプロレス、決闘なんですよ。
どっちか勝つか?どっちが強い?っていう薄い興味で引っ張る! 大衆は白黒のハッキリつく勝負事が大好き。
現実日常世界では、グレーな、なんだかわからん理不尽な勝ち負けが多いから、その反動でしょうか。


個人的なことですが、当方は、ロボット同士のプロレスが始まるとテンションが下がる珍しいタイプです。
人同士や、人型メカ同士の殺し合いに興味が無い。どうでもいい。本質的に無益に思える。
当方は、どうも男性ホルモンが薄いんですね。だから格闘に興味が無い。女性にプロレス・格闘技好きが少ないのと同じ。ケンカ・バトルに燃えるのは男特有の傾向。


ロボットもの全ての、おおげさな劇的なストーリーを除くと、少年少女の自分をでっかくみせたい! 立派に、頭を良くみせたい! という、いつの世も変わらぬ青少年の背伸びの需要に応じたもの。ほほえましく、青春思春です。

子供が大人に勝つ!なんてことは、実世界ではあまり無いことですが、それを話にして見せている。宮崎アニメでも、少年少女が見たい話、子供が大人を圧倒するシーンが多。子供向商品として正しいサービス。「現実においても子供が大人に勝てるのではないか?」と、錯覚さえさせることに成功しているものと。
(そう簡単には小が大には勝てません。現実で小が勝つのはレアケース。巨人IBMに勝ったマイクロソフトとか大手家電メーカーに勝った任天堂とか、とっても少ないよ。)


 
● 余談 ヤマトの波動砲も実に射精 巨神兵


ヤマトの波動砲も実に射精っぽい。真っ白いもんを超巨大な単根から超々大量射精!! 惑星とか敵艦隊を丸ごと破壊消失全滅させたり、いやー、男の性欲と破壊欲が、マンガチックに結びついて、実に正直な、絵にして見せたときのインパクトの強さ! キモチよさ! 正義というより、もう、ほとんど悪! (プロデューサーや原作者もアレな人たちなだけど。ファンを思いきりノセておいて裏切りまくった歴史的経緯もスゴイ商業作品。)

マンガのおもしろさの核は「でっかいテーマ」にあるんじゃなくって、そんなもんは言い訳にすぎなくて、立派なテーマはスポンサーから金をひったくり、広く世間を欺くための詭弁に過ぎず、真の魅力は、本当の面白さの核は、視覚的快楽は、ヒトの脳に潜む、原始的原初的、本能的快感快楽に、どれだけ訴えかけられるかどうか?

映画ナウシカの巨神兵の巨大ビームが一閃、ドカーン!!も、射精&破壊。口から発射するなんてド変態ですな。
直接関係無いけど、ナウシカの、城に突入したコマンドを一瞬で撲り殺し、秒殺!も、戦う戦闘美少女の激エロさ! 聖女の顔に娼婦の肉体で、救世主にして殺戮人間兵器でもあるという宮崎アニメ史上最強キャラ。倒錯の素晴らしさ。姫姉様はエロスの塊です。

コルベット強襲シーンでも、銃火器撃ちまくり。出てくる兵器は必ず火を噴くこのサービスの良さ! というか、兵器への愛! 出したメカも壊しまくり。観客が潜在的に期待する破壊欲以上の破壊で応える、監督の凄さ。冒険活劇を演出・作画する人間として異常に根性があるのは、ほんと尊敬いたします。アニメでアクションを描くのは大変だもの。


 
○ 性倒錯のエロス ナウシカ

上記のナウシカは筋肉質でしょうね。あの超人的運動能力です。腹筋も割れてるでしょう。なのに巨乳。変態です。しかも怪力! 姫様は人外です。ゆえに魅力的です。しかしキッツイ性格が難だなあ…… いや、空想美少女だから、まー存在しないもんだし、どうでもいいやっていう、醒めた目も持ってますが……
(こんな感じで、実在感を持って語り、妄想を強化し積み上げることに、愛やらエロやらがあるのかな?)

そんな怪力美少女キャラを含め、筋肉女体、筋肉女性は、性倒錯が魅力。
母性という、産み育てる優しい性のはずが、すさまじくなっているという。反則性。逸脱性。男を超えたパワーを獲得し、猛っているという、人外の域に達した美しき牝たちの超越性。
要は女神です。神に近い者は視覚的にもこう超越者であって欲しいと。

とはいえ、人気無いですなあ。肉体派筋肉路線は。
肉体で直接パワーアップを果たすパターンは。強靭な、超人的存在ですよと、絵でわかりやすく示す、ストレートな路線は。スーパーマンも、ギリシアの神々もマッチョでしょ?

が、21世紀初頭の現代日本では、ヤセた細いヒーロー・ヒロインが主流。マンガ・アニメ以外のアイドル等でも。なぜなんだろう? 肉体をないがしろにする風潮の表れ? 軽くて薄いのがよいみたいな世間の潮流。決定的な理由がわかりません。
仮説ですが、力への憧れ・信仰がストレートには無くなってきているのかな?


 
● ボディビルダーと減量


マッチョ・マッシブ・マッスルな筋肉隆々の体は、全身が勃起している感じ。隆起・パンクアップは、視覚的にエロス。むりゅむりゅと肉の震える感じも生命力が強烈。


「憧れのマッチョダンディ 昔から憧れてましたァ〜」by 超兄貴


と、歌われようとも、マンガチックな体のせいか、世間ではギャグ・笑いの対象。「ぜんぜん強くないだろ! 見掛け倒しだ!」と、なんか見当違いなツッコミも。
格闘技では適度に皮下脂肪を残しておかないと、スタミナ、防御の点で不利。ボディビルは徹底して見せる競技だから。ゆえに敢えて体脂肪率一桁。
しかもあの強烈なムキムキの体はコンテスト時のみ!の特別仕様の肉体。辛く厳しい減量を、皮下脂肪をゼロに近づけるという、極限まで落とす! 水分も絞る! 筋肉群に皮膚が張りついたような、もの凄い体になるには、壮絶な禁欲があるんですね。

飲食を減らし、食欲という本能的欲求を理性で抑えるとは、意志力がほんと強いんですね。高重量の負荷で筋繊維を意図的に破壊し、回復肥大させるトレーニングの慣行だけでもタイヘンなのに、苛酷な減量まであるとはほんとタイヘンだ。苦行苦行の連続で、中世の修行僧みたい。

また筋量ってクスリを使っても劇的には増えない。年に数キロづつしか増加せず。なのに減るほうは割と早いみたい。使わなければ落ちる。自然の掟がそうできてるんだから、しょうがない。魔法のように気楽には筋肥大しない。

筋肉育成にはいろんな登り方があって、当人に合った方法を探って確立するにも頭脳が要る。誤ると負傷の危険、無駄な鍛錬になるリスク。食生活とも完全に連動。(“ビルダー食”って味気無いらしい。育成期にはよく食べる。オフ期のビルダーはふっくらしている。脂肪がある方が筋肉が育ち易いそう。) 生活のすべてをボディビルに捧げる、根性と、意志の強い、頭が良く、計画的な努力の人じゃないとできない競技。困難な道のり。
本気でやりだすと、不健康なスポーツというか競技というか…… いや、どのスポーツもトップレベルになると不健康ですけどね。命を削って記録に挑み、タイトルをもぎ取る、やったるぜ! とったるぜ! な人が頂点を極めるんでしょう。


上記の点を知って、より尊敬しております。
人間だけの、文明人だけの、反逆的な人工美への挑戦。内なる自然を支配改良しようという試み。
過剰なモノが持つ魅力。逸脱の魅力。平均からおもいっきり外れてしまう、社会的反逆性。美的感覚も世の常識から逸脱。異形の肉体美を競いあう、イッちゃった領域での戦い。人間の体の限界に挑むレベルの高さ。
死が近くなってもやる!という、凄味、凄さ。ロック、パンクな要素も。
自己愛、利己的、世に直接役立たない努力。それでも欲しい体を、望むものを手に入れようとする正直さ等々も含めて、凄い!って思います。


 
○ 筋肉美少女ってありえない 筋肉美女は実在するも微妙!?


筋肉美少女は存在し得ません。筋量が育つのに、ものすごく時間がかかる。ボディビルを十代から始めても、ビルダーらしくなるのは成人するあたり。理想の筋量完成があかつきには、どうしても、おばちゃんになっちゃう。
生まれつき筋肉の付きやすい、筋肥大しやすい体質になる遺伝子が見つかり、その遺伝子がオンになっている女性もいるだろうとの科学ニュースが近年有り。遺伝子組換えで、生まれながらビルダー向きの女の子を産ませることも、理論的にはできる。人倫無視ですが。これらの少女は幼いうちから豊かな筋量を身に付けれるのかなあ? いや、ムリそう、限度がありそう……


筋肉少女はいないけど、筋肉女なら実在。海外の女性プロビルダーは、薬物使用という、ある種の禁じ手で、人外な怪物的肉体を体現。現代科学が生んだモンスター。すごい!
ステロイド=男性ホルモンの作用は劇的。強力で強烈。
海外女性ビルダーの、クリ肥大!! いやー、変態的。小指の先どころか、親指の先ほどもある、凄まじい突出肉粒。クリがチン○化しているんですな。
そして、男顔。全員似たような顔つきに。顎がごつく長い感じ。見事に男化。
脳も男になるという。精神にも作用。攻撃的で荒っぽくなるらしい。(個人的な話ですが、当方は、自分で言うのもなんですが、脳が女っぽいです。思考・行動面共に女性的。)

うーん、しかし、心も体も準男化ってどうかなあ? 微妙。美女と呼べる人もいるけど、ゴツくて、かわいいという感じじゃないんですよね。
女のままで筋肉だけ太く凄まじくなって欲しいのに、自然の摂理は意地悪。というか、たまたま生物の体はこう進化したと。(男の筋量自体が変態なのかな。性は女性が基本型。女性の平均寿命が長いのも女性性が本来だから。男の体は成長過程で女からムリヤリ男性型にスイッチされている。天然の自然なホルモン分泌による一種の改造。)
現実には、顔と胸と尻とを女のままで残すことは不可能。筋肉を見せる為に脂肪を落とすと、おっぱいやお尻の脂肪も一緒に落ちてしまう。
だから、豊乳系グラマラス筋肉美女を見れるのは二次絵、あるいはコラ等の架空世界のみ。おー、ガンバロ。

ステ・ビルダーが、筋量と引き換えに失うもので、一番でかい代償は、生殖機能へのダメージ。
女は妊娠ができない。男は睾丸が縮小し精子が造れなくなる。これは引き返せないのにすごい思い切りだ!
ほかの副作用には、内臓肥大による腹部隆起。個人差があるが頭髪の脱毛。男の女性化乳房(素人には、ふしぎ、エロ変態な現象だ)。最悪の場合は腰の骨が溶けたりもするという。
プロビルダーは薬の多用により、そうとう寿命を削っている。しかしある種の悪魔に魂を売るようなクスリを使ってでも、人外な筋肉を入れたいという欲望、業の深さ! 見る側は人類未踏・有史最高の超人の肉体を見れて大変ありがたいですけど、本人達はとんでもない覚悟であるなあ。


 
● フィットネス サイボーグ

フィットネスお姉さんの人工美! トレーニング(+整形改造人間?) 入れ乳や、インプラント。尻にもパットとか入れてそう。「見た目がカッコよければ、美しければ、いいや。」という思いきった精神。アメリカンな割り切り。
当方も見る分には賛成。自然法則に反したおっぱいの盛り上がりとか、天然じゃないぜと知らされても、やっぱ無条件にエロい。重力への反逆というか。天使のような、彫刻のような、エロ女体の、健康美とエロスの、人工性さえも好き。現代文明社会の合理主義と科学が生んだ、恐ろしく即物的な美。(精神性はどうなんでしょうか……)

ビルダー、フィットネス共に、筋トレによる身体改造は、機械的鍛錬が特徴。
機械的トレーニングで、自然の状態では、そうなるはずがない“不自然”な体へと、脳で体を変えてしまう。
意志や理性で、一時的にとはいえ肉体をほぼ完全に支配し、思うがままの姿に、意図的にボディを改造してしまう点。文明人ならではの、自然を支配して生み出した、人工の体。
そこがサイボーグですね。
現代人に特有の、「自然を管理・支配する」という傲慢さですが、一時はホントに可能。
だが、いづれ枯れて、朽ちてゆくんだけどね。死は自然の勝利。人は自然を永遠には支配できないよ。盛者必衰。生々流転。栄枯盛衰。諸行無常……

都市を構成する人工物は案外耐用年数が短い。すぐ経年劣化する。設計寿命の短いものばかり。フィットネスお姉さんは歩く都会美です。
とはいえ、一時的に凄まじく美を体現し、燃えるようなエロスに絶頂できるというのは、男根の勃起、射精を連想します。美と官能と変態の究極性を強く感じます。



筋肉系については以上です。当方の個人的関心が高い「超人性」に直結する属性なので、言いたいことがいっぱいあり、長くなりました。


 
○ ふたなりの魅力 〜ソフトふたなり ハードふたなり

(2009.9. 追記) 以下の仮説はハズレてました 理由は後記

ふたなりには2タイプあるのをご存知でしょうか? ハーレムものから派生したタイプと、力への憧れから派生したパワー系タイプと、実は二種有り。


ソフトふたなり

萌え系ふたなり。ソフトでふわふわ。セックスという性の神聖空間に、男を目にしたく無い人の、「男なんか描きたくない! セックス描写の際のサオ師をフタナリにしてしまえー!」というノリで発案され、男性向け同人誌の一大勢力に。
男不用の妄想空間。むさい男を目にせずともよい、女体オンリーのエロワールド。超・性的夢想。目にはぴちぴちの女体しか入らない、素晴らしき世界。ある意味正直。やや乱暴な解決案。やや消極的理由。チン○ン描写に、男根作画に、それほど力が入ってない。憧れの視点で描かれない。セックスのための小道具。ストーリーを進めるための。ソフトでかわいい感じ。
タマ無し/タマ有り、クリ変化型/完全男性器型、など、いくつかタイプがあり。


(余談ですが、ハーレムは各国共通な男の理想のひとつ。全方向に純愛。どの女性への愛も本当の愛などとヨタを抜かせる男の妄想世界。んん? 愛だの何だの、歯の浮きそうな、美辞麗句は、しゃらくさい! はっきり言葉で書きます!
オスには大多数のメスに己の遺伝子をバラ撒きたいという本能が、生まれつき、抜き難く有る!! ゆえに側室とか愛人とかハーレムとか一夫多妻とかは、ロマンなんですな。美女美少女を多数囲ってセックスしまくりたいという非常に俗な欲望は相当本能的なんでしょう。女性の求める深く単独一品だけ真実の愛路線とは対極的。近代の一夫一妻制は人工物。文化が生んだ虚構。近代文明の社会運営上の都合による縛り。
初期のエロゲーはこの辺の一般的な土着的ハーレム願望周辺を正直に反映していたけど、後年ぬるくなり、純愛物エロゲーなんて語義矛盾な商品も登場する始末?! ソフトふたなりは形を変えたハーレムもの復権か??)


ハードふたなり

こっちはもっと積極的。生えてることに意義を見出す。牝ペニスに対し深い感動と感銘。ハードふたなりは力の象徴。ペニスの隆々たる勃起は、筋肉とともに力のシンボル。属性的にも重なる。人外の凄まじいパワーを視覚で表す。人間止めちゃいました!という証。特徴としては、憧れの視点で描かれた、パワフルな人外的超根描写。女体をも攻略可能なスペシャルな性肉になっている。男と化している。いや、男をも超えた存在。性別を超越した神なもの。それがハードふたなり少女。


ところで、当方作のイラスト・小説は、え〜〜〜〜 「ふたなり」と称しながら、フタチンの下に女性器があるのかどうか、あいまいにしてましたが、発生学上から言うと、卵巣=睾丸、膣腔=棹部なんで、どっちか一方の形態を取るのが合理的?解釈かなと。当方は凸にも凹にも自在にスイッチするパターンが好き。まあ、ファンタジーだし、両方有っても全然かまわないですし、ご自由に解釈してください。


(2009.9. 追記) みさくらなんこつ御大が描く可愛いヒロインに圧倒的なデカい大迫力のペニス。上記の分類にまったく当てはまらない逸物ぶりで、この仮説は間違いでした。(仮説を崩すには反例を一つ示すだけでオーケーです。)


 
● 超乳膨乳の魅力 〜母性の暴走

乳房は命を育むエロスの肉果実。女体の発育完了を示すサインにして、牡を誘う為のセックスアピール。健康美&性的シンボル。お尻のダミー。男はなぜかわからないが、尻的な肉球二つの盛り上がりに、視覚からエロのスイッチが入る。本能的にいいなあと思う。理屈では説明不能。わからん。言葉では理論的証明ができない。人牡に特有の性欲肉欲の謎。お尻遺伝子とかでもあるのだろうか。

リアルの爆乳・超乳さんは、天然・人工併せて、実在することがありがたく、良いのですが、全体の形状が崩れ気味だったり、トップの形状が美とは言えなかったり、難有り。理想を追求するなら二次絵が有利な領域。

現実には有り得ない妄想サイズ超乳の場合、母性の暴走。超人。神々しい感じ。神な感じ。超越的。脂肪と乳腺のミルクファンタジー。柔らかなラインが、でかすぎるというのが、過剰なまでに豊饒な生命の、エロおっぱいの究極が、超々強化された牝サインが揺動バウンドすれば、もう性の暴力。超おっぱいは神だなあ。豊かで巨大=地母神??

膨乳。幼い胸がすさまじいサイズにまで、発育成長するプロセスに、とてつもない生命力のエロス。発育過程において牝最強の変態を遂げる性的器官。現実には見ることの出来無い短時間での急速成長。虚構作品内でのみ見れる絵。自らの意志で思うがままにおっぱいを大きくするにせよ、他者が膨乳させるにせよ、人の全能感の一端。夢・欲望のエロファンタジー。

どこまで大きくできるか? 妄想の世界はなんでも自由。制限制約が無い。無限数を想像するのと同じで、おっぱいを大きくしたいだけ大きくできる。欲望のまま上限ナシ。おっぱいで宇宙空間を埋め尽くすことだって、妄想の中では可能。膨乳宇宙論。無限のロマン。


 
○ 噴乳は射精のメタファー

母なるもの。母乳への憧れ。淫乳を飲乳したいよね。(ちょっぴり退行的。)
射乳とも呼ばれる。おっぱいにおける射精感覚。わかりやすい。女性の性的絶頂は視覚的にわかりにくいが、噴乳描写はひとつの解決方法。二次絵で多用される。快楽の極みに達していると、女体は快楽に狂っていると、感じまくっていると、イッたと目で見て判る。噴けばアクメっている。絶頂であると言える。
噴乳させてしまえることに、全能感。妙な支配欲? 暴力の一種? いや、これはすべての身体改造ネタに共通する、「女人を好みの身体へと自在に操り、造り変えてしまう。」願望は、男のロマン?というより、人の支配欲の一端でしょう。

母乳風呂。母乳温泉。母乳プール。母乳湖。母乳の海。母乳惑星…… 妄想の世界はなんでも可能。いくらでもエスカレート可。欲望のままに、宇宙を真っ白にするまで噴乳することも、妄想の中ではできてしまう。宇宙の全母乳化。母乳宇宙論。おっぱいロマン。



 
● 変身成長のエロス

急速成長もの。真に変態。手塚治虫が変身成長にこだわった作家。メルモちゃんが有名。アニメで数多く変身変態シーンを作る。手塚さんはホンモノの変態。特異な作家で、実はここまで変身シーンにこだわる作家はあまりいない。変身成長ってエロスだけどなあ。生き物の形がうねうね変態するというのに、多くの人は、ひっかからないみたい。変身変態リビドー派は相当少数派。

アニメの動きのエロスは、アニメーションの魅力の核は変身変態にあると思う。アニメ=変態が作画する最初の出発点なのに、へき地・端っこに追いやられ気味。
余談ですが、多くの人がアニメで求めることは、まずキャラ愛が第一。次に表情。その次にドラマ・ストーリーでしょうか。勝負に勝つか負けるか、恋愛で好きか嫌いか、白黒ハッキリな薄い関心で話を引っ張ってゆくのがセオリー。


ところで変身成長といえば―― 男の肉体でもっとも劇的に激しく変身変態する部位、男根です。勃起は変態変身以外の何物でもない。しかも射精してしまう! 刺激の果てに、達したと見てわかる。イッたと。白黒ハッキリ。わかりやすい。正直な部位。勃つか勃たないか。一目で判る生理的判断。


 
○ 触手の魅力 〜究極エロ・アイテム 最終ウェポン

触手はチン○のメタファーです。複数あるなんて素敵です。うねうね自在に動くなんて素晴らしいです。同時に犯せて、しかも、どこまでも入ってゆけるなんて最高です。夢です。太くて、でかくて、長くて、ゾウの鼻みたいで、女になって触手に犯されてみたいし、触手になって女体を犯してもみたい。いや、どっちも味わいたい! 超サービスしてみたい。超サービスされたい。快楽授与のための、究極エロ・アイテム。最終ウェポン。それが触手。
全体孔を同時に犯れるのも、触手オンリーのアドバンテージ。夢世界。細かく先端を枝分かれさせて、手のように繊細優美に攻めることも、夢だから、妄想だから、ナンでも可能なんですねえ。

エロマシーン、セックスマシーンとして、最強のチャンピオン。催淫液が出るという定番設定。やや反則的。(セックスによる支配なのかな? 快楽による牝奴隷。セックス漬け女は。)

多彩な攻めを誇る。男根そのものとして女体を攻めれるし、指のようにも使えるし、精液状の分泌液から無色透明のローション液まで多様に出せるし、無限に出せるし、服を溶かせたりもするし、伸ばせるし、膨縮するし、太さも長さも自由自在。タフで疲れ知らずだろうし、本数もお好みに応じて、単根から怒涛の超多根マルチプレイまで。オプションの幅広さ、形状のバラエティさも想像力次第かな? っていうか作者の淫心と情熱次第。
最高の快楽を味わうための、人外ならではの方法がいくらでも。たのしい可能性がいっぱい。

それゆえか、描くとなるとたいへん難しい。エロスの王様を描写するのは。最強オ○ンチン複合集合体を描くのは。作画困難さでもエロキング。


 
● 結論 当方のフェチを自己分析

あくまでも個人内の感覚として―― しかも、あんまりハッキリさせると引かれちゃうかもしれませんが…… 正直なので、ハッキリと書くと、当方の特殊フェチの全ては、男根勃起を中心にしたファンタジーです。色々とパターンはあれど、筋肉隆起もチン○。巨大乳首勃起もチン○。膨乳もチン○。触手もチン○。フタナリもモロにそのままチン○。

射精の感覚まで考慮すると、筋肉のパンプアップは勃起。膨乳は勃起。噴乳は射精。フタナリはそのまんま勃起&射精。ん?超乳は女性性の超フル勃起姿に当たるのかなぁ?? 超乳はチン○ン的要素から外れた独立峰であるな〜。自分の中では。まー、個人内の分類なんて、どうでもいいですか。

勃起時の超人的感覚が大好き。まったくの錯覚だけれども、勃起の感覚は、アッパーな、覚醒する感じ。力が絶頂してゆく感じ。隆々と奮い立つ感じが大好きです。その延長にある妄想群です。
そして射精は絶頂であり男性最強の性的快楽が肉体に爆発する瞬間です。
それを倒錯的に拡大発展させた妄想群でもあり……
(当方の場合はそうなっているだけで、人によってエロスの由来は違うよ。)

エロスを何に感じるかは自由。
ただ、公にすれば社会通念に抵触する性的妄想は非常に多いです。上記のフェチ群は幸い比較的に法の縛りの無いフェチ群。一般人に悪趣味だと眉をひそめられるくらいで、直接的罰則はナシ。

結論すると、性器と、全能感と、逸脱蕩尽系ファンタジーがごちゃまぜになった妄想の愛好者です。


 
○ 自分の世界が作りたい 二次絵とヌード

一続きな小さな世界を構築できると喜び。イラストや小説。散漫な妄想が転がっているだけだけど、小さな全能感をほんのちょっぴり満たせる。


例えばヌード。現実の女性に同意の上で脱いでもらうのも大変だし、ムリヤリ脱がせたら犯罪だし、(しかも脱いでもらったところ、美体とは限らないし!) その点、二次絵ならいくら脱がせてもOK。ばんばん気軽に脱がせられる。とっても気楽。(美体になるかどうかは作画技術との相談&熱意次第。)

だいたい超マッチョや超巨乳の美人・美女・美少女なんていない。現実には見ようがない。見るスベが無い。描くしかない。だったら自分で作るしかないじゃないか。

マイキャラを脱がすことに、かつては自分の娘を汚しているような罪悪感も確かにありました。父性の感覚です。が、自分の分身だと割り切れば、もうやられちゃっていいんだと。
そう、割り切ってしまえば、気分はもういつでも処女喪失?? ……いや、やっぱり、匿名じゃないと公開できないですねえ。恥ずかしい。羞恥プレイです。


創作全般に、世界をつくりたいという願い。現実には無い世界を。この世界への復讐? 無慈悲でメチャクチャで理不尽で不合理な、不平等で不自由な、世界への小さな復讐。ホントに小さなね。




 
● おまけ どうして男性向同人誌は多数あるのか?

「好みの顔のタイプ×好みの属性」 その組み合わせで、何千何万通りになるのだという説。
好きな顔にプラスして、嗜好する体形、好みのフェチ・プレイ、偏愛する格好などの「属性」が山ほどあるので、細分化されるのだと。どっかの文系の学者が発案した仮説です。
ん? とっかえひっかえ日替わり弁当的、おかず的な性的欲望の消費。性欲色欲恋愛欲の、ライトな代用品ってこと??

同人系エロ妄想者をバカにするな! 我々はイッちゃったものに本気だ。
犯す側、犯される側も自分。男役、女役、どっちにも感情移入。擬似体験。想像妄想ならでは。快楽を与え、快楽を貪るのも、いやらしく攻める性も、激しく喘ぐ性も、両方とも自分。大変エロチックです。好みのプレイ&好みのタイミング。完全性愛の世界。与えるエロ願望が暴走し爆発し、求める性的欲望の全てが即座即応に満たされるアッパーな世界。それがエロ妄想。妄想なんだし貪欲にエロスを味わいまくらなきゃ!
(ただ、欲望をだだ漏れに、剥き出しにしすぎると多くの人に引かれちゃう恐れがありますが……)



以上です。

2007.4. 記



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