広大な超常女教師の自宅―― 招いた教え子の前で、一人の女生徒の前で、教師は微笑んでいた。
「見せたいものがあるの。」
超教師は、そう言って、白く大きな壁面に手を優しくかざした――。
灰色の巨大な壁から、むくむくっ！と何かが盛り上がる。
幾つもの球状の連合体が――水面から姿を現すように、それは揺れる美しい乳房だった。
ピチピチの女体が夢魔のごとく、すうと浮きあがった――
蒼白の美少女である。
輝く裸体は―― 白眼を剥き、口はパクパクと、涎（よだれ）を垂らしながら、海から釣り上げられた直後の魚のように、温かな何を求めるように、美貌が喘（あえ）いでいる。
その顔と表情は、完全に廃人の様相だ。
半身を壁に埋めたまま――ただ悶えている、半死半生の娘――
「この娘はね。116年前に仕込んだ女の子よ。とうに100才を越えているはずなのに、どう？ 若いでしょ？ ちっとも歳をとって無いでしょ？ 永遠の生を与えてあげたのよ。ふふ……」
「最初は凄かったわよ。強攻性の肉体保持成分が、即死するレベルの快楽を伴って体にどんどん回った時は、全細胞が発狂し尽くしてゆくの。死ぬほどキツい快楽に、ボディも精神も心も全て蕩けてゆくわ。そして不死化するの。
おもしろいから必要量以上にたっぷり注入してあげちゃった。特製の抗加齢剤。魔法の生肉保存剤といったところかしら。超快楽性の特別エキスよ。お釣りが来るほどぶち込んであげたわ。だから、この子、数千年は歳を取らないんじゃない？」
人をハムかベーコンみたいな扱いである。
人知を超越している。人外の倫理感覚――これが超教師のモラルであった。
そしてまだ続いているのだ。快楽放射が、体内からの容赦の無い快美の波動が、肉も精神も苛（さいな）んでいるのだ。体内を駆け巡る、ごく微量の魔的な超物質が放射する不死化に伴う副作用であった。
性作品と言っていい。
震える女肉は、神秘の「漬物」であった。超教師が生体を追い込んで仕上げた、快楽漬け淫体である。
娘の加齢は停止し、体内中に許容量を越えて入れられた、強快楽性の、超淫性物質に、骨まで浸潤（しんじゅん）されて、生死を越えた存在と化して――、性と死のカオスの中で、悶えているのだ。
貯蔵壁の中で、永遠永劫とも思える時の流れの中を、醒めることの無い快楽に、ただ――濡れ尽くす。
声無きよがり声を、果て無く性液を漏らしまくり、肢体を震わせて、閉ざされた肉壁の一部となって保存され、快美に狂うのだ。冷たい静寂の中で――
教師は、指を一本、伸ばした。人差し指である。娘の会陰部、股間の三角地帯へ――陰核を剥いて刺激した。
もう片手で、肉襞（ひだ）を開いて、突き入れる。女性器へと。
指を二本、突っ込む。
三本。四本。五本。と増やし、すべての指が挿れられた。ぐい！ 膣腔が太くなる。拡張される。
フィストファックする。
教師の腕を妖々と呑みこんだ女体が、音も無く、無言で、吠えた。激しく痙攣（けいれん）した。
「あらあら、理性も何もかも吹っ飛んでいるのに、感じることはできるのね。人間ってたいしたものね。」
「お友達になってあげたら？」
壁に埋まっていた尻を、無造作に、難無く引っ張り出すと、お尻をひねらせて、こっちに向けさせた。お尻が口を利くように、アナルが粘液を垂れ漏らしている。愛のジュースを噴いている。
言葉がわからないお友達への挨拶（あいさつ）は何がいいだろう？
言葉に頼らないボディ・ランゲージ、それも体感型がいい。
先生を見習って、淫汁まみれの尻穴に、フィストファックした。
「よろしくね！！」
「……！！！」
襲いかかり、窄（すぼ）まる触感。熱く濡れた肉の鍾乳洞。飛び散る汁。
丈夫なアナルだった。こんなに乱暴に拳（こぶし）を入れられては、普通の人間ならば一気に裂けてショック死している。
強化されているのだ。ここも含めて全身を――、もう体中が、骨格も筋肉も内臓器官も、皆、凄まじい――
壮絶なパワーを秘めた肉体だ。人外な戦闘力を誇る女体だ。
だがそれを制御する人格と理性が無い。
快美にただ喘ぐだけの無意味な肉人形と化してしまっている。
だが超常女教師とっては使いようがあるのかもしれない――
ハードとして、プラットフォームとして、用途はあるのだ。
新たな人格を再構成させてインストールし、起動させるのかも知れない。いや、もっと他の、破天荒な利用法が、わたしには知る手立ても無い使い道が、あるのかも知れない……
今はただ、呼応するかのように直腸が蠕動（ぜんどう）する。
凄い。拳を舐めるように、搾るように、淫らに動いた。腸液をぶち撒けながら……
この穴にチン○突っ込んだら、きもちいいだろうな……
ふと、よぎった淫心。
「じゃ、フタナる？」
チン○生やしてみる？と、フタナリ女にならない？と、提案してきた。
超能力教師の、身体改造能力をもってすれば、余裕で可能なのだ。
「今日は止めときます」
「あら、殊勝な心がけね。」
「お友達、仕舞っておくわ。わかったでしょ。あなたもこうなりたい？」
「――不死化ですか。考えておきますわ。」
「ふふ。それも殊勝な心がけね。あなたが願うのであれば、いつでもそうさせてあげるわよ。希望さえすればね。不死にしてあげる。」
現世へと別れを告げ、壁へと再吸収される少女を、もう一人の少女の潤む瞳が、意味深な目で、射るように見つめた。
お友だち…… 秘密の親友…… アナル・フレンド…… 様々な想いが胸によぎった。
……将来、きっとあなたの淫殺官になってあげるね。十二分に再処刑してあげる。もっともっと犯りまくってあげるね！ あの世にいっぱい、超絶に叩きこんであげるわ！！ もう ぐちゃぐちゃにしてあげる！！！！
淫心が脳髄にほとばしる。魔生徒として成長途中にある少女の、心中奥深くに去来するものは、動物的本能に裏打ちされた黒いコロナ、さらなる性の暴力であった。
その淫虐のパルスを、体感に感知して、壁の中の数百体の娘たちは一斉に（一体ではなかった）、音も無く、震え泣いたのである――