女神は、いますぐ、ここを発つと言う。
我々が戦うべき敵は、もっと遠くの宇宙にいる。
それは恐るべき敵。
凄まじい破壊力を持つ宇宙の怪物。
平和な星々を襲っては、なにもかも略奪し、文明を星ごと滅ぼしてしまうという。
そんなものがこの宇宙を荒らしまわっているというのだ。
地球もいつ襲われるかわからない。
この宇宙の戦いは、全宇宙を賭けた、正義と悪との戦いであった。
その激戦の最前線へと向かう五人の少女たち。
今度の移動は、さっきまでの比では無かった。
とてつもないスピードを肉体ひとつで絞り出すのだ。
光速まで加速し、更に光の壁を破って、超光速まで加速する。
光速飛行の更に上をゆく超光速飛行を、体ひとつで行うのである。
神の戦士でなければ、できない技であった。
女神と少女たちは、遠宇宙へと向け、発進した。
とてつもない量のエナジーが、爆発的に体から絞り出される。
エネルギーが、全身から、激光となって飛び散っていく。
超スピードにまで一気に加速してゆく。
空間が歪み、星々が前方へと集まってくる。
加速に次ぐ加速、移動速度はぐんぐんと光速へと近づく。
強烈な光の壁が行く手を立ち塞ぐ。
光速の壁だ。
おおおおお!!!!
咆吼。
全身全霊で突破した。
光速の壁を、物理法則を、力技でぶち破り、光のスピードを越えて、更に加速する超少女たち。
絞り出されるパワーに全身が軋む。
全身から光の衝撃波を発しながら超光速飛行。
光の衝撃波は大波となり、真空の大海を揺らがせた。
女神と少女たちは、大宇宙を超光速移動する。
生まれ育った母なる星、地球を離れ、宇宙の遥か彼方、遠い敵地へ行く少女戦士たち。
遥かなる地で、彼女たちを待つ激闘とは?
戦いの地で、少女たちを待ちうける恐るべき強敵とは――?
誕生(バース)篇 終