パワーエロスシリーズ

続・超常女教師 名村超子――(3)闘宴の章

ぞく・ちょうじょうおんなきょうし なむらちょうこ――(3)とうえんのしょう

ひんぐるみりは 作
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雲が渦巻き、稲妻が走った。
空中セックスが開始された。なんというセックスか。光と光が激突し、その度に、汁が飛び散る。

ああん

雲中より甘い喘ぎがした。

おらあッ!!

野獣のような裂帛(れっぱく)の、牡の猛り声も地に雷鳴のように轟き渡る。

雲の切れ間より、凄まじい肉の突入音。
口腔と膣腔と直腸が、太くて強いものに攻められている余りに濡れた音。唇と性器と肛門がそれに反撃する。牝の分泌噴射の音。指と舌と筋肉がそれに再反撃する。牡の体液音。牝の肉と脂肪のうねる音。牡肉の膨張と加熱の音。瞬間的な入り抉りもあれば、濃厚に入り抉る交わりもある。その度におびただしい性エナジーと淫性オーラが多量に交換される。

白い汁の豪雨が降った。精液の雨であった。ギャラリーの女子生徒等は逃げ惑う。超の付く大量射精が上空で行われたのであろう。
だが大量射精では決めきれなかったらしい。

次に母乳が降ってきた。大量射乳であろう。男を幼子に戻さんとする作戦か。が、うねくる牡の波動は地にガンガン届いている。戦いは続いている。

雲の中で、己の肉の形すら変えつつ、人以上の姿となって、彼等は戦っているのかもしれない。

勝負は互角――、雲に、天に、性の匂いに満ちる。ひとしきり、性汁を飛び散らせた後、雲塊が降ったきた。白霧が解け、中から女人が姿を現した。精汁にまみれて女体が降り立った。
肩で息をしている。美しき肉体の、孔という孔から精液が垂れ噴いていて凄まじい。ザーメン絞りの特殊牝力をもってしても、吸いきれなかった絞りの限界が垂れているのだ。圧倒的なヘゲモニーと、クールセックスが自慢の肉体も、そうとう感じてしまったらしい。

次なる雲霧も降った。無論もう一名の対戦相手である。雲を払い、若き全裸の少年も続いて並び立つ。
全身に浴びせられたであろう母乳の、乳の匂いが肌より立ち昇った。急角度勃起を維持しつつ、数百リットルもの放精を終えた美巨根は萎えることを知らず、筋肉質のボディもきらめきを失ってはいなかったが、顔にはさすがに疲れの色があった。こちらもポテンシャルをかなり削っているようだ。

だが、均衡は崩れた。
両者共、震えはじめたのだ。瘧(おこり)のように。ぴくぴくと、肌を細波(さざなみ)が走る。
全身を走る割れ目。そのひび割れが広がってゆく。

集合体は、長時間その姿を維持できない、強引なるパワーアップ方法であり、破綻する時が来たのだ。

先にダメになったのは牝であった。

あっ!あっ!!あっ!!!!ああっ!!!!!!!!

絶叫と共に、白き戦闘肉姫が、弾けた。校庭じゅうに飛び散る。汁と共に。
全裸の女体が湯気を立てて横たわる。その数、40名。
元の女生徒等の姿に戻ったのだ。
白眼を剥き、涎をこぼし、ぶっ倒れている。体が本来の耐力に戻った為、残存していた快楽が耐性レベルを一気に越えた為、瞬時に悶絶したのだ。痙攣が続いている。脂肪がぷるぷるとゼラチンか鍋の煮凝りのように震え狂っている。

男性教師名村豪人は、戦闘をねぎらうように、爆発しそうに震える教え子の、男子性徒の体を抱きかかえ、傍らに立っていた。
それを超子は、ねめつけながら言う。


そっちももうすぐバラけるんでしょう。全裸の男子生徒君達のよがり姿は、ココの校庭ではちょっと見たくないわね。早く母校に帰りなさい。今度来るときは”性戦闘可能時間”をもう少し伸ばしてから来なさいよね。


言われずともそうする。おまえのほうも、もっとよい”牝型性戦闘体”を造れよ。


超子にそう言い残して、フッと瞬間移動し、その姿を消した。兄は立ち去った。豪人の牡型性戦闘体も、向うの男子校で、結合から解放され、40名の元の少年らに戻っているのだろう。そしてぶっ倒れていることだろう。ヒトでは耐え切れない快楽の余韻余波に、よがり狂いながら。

今日もケリはつけられなかった。受け持ちクラスの全員の、悶絶女体群の淫景を眺めながらの、感慨であった。超淫バトルが終わり、放熱されし淫風が女子校のグラウンドに漂い吹く。超常女教師の尻を、背を、胸を、顔を、風が撫でてゆく――。
兄(ヤツ)とのケリをつけるのはいつの日か。しばし、沈思黙考する。

それは、曇り空の日であった。




end



06/7/31 UP
07/2/12 文字サイズ等一部修正

あとがき

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