バカエロもの

エロ要員 純愛憧憬――(2)破

えろよういん じゅんあいどうけい――(2)は

ひんぐるみりは 作
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女神は自らが拓いた世界へ、女をワープさせた。おぼろげに湧きたつ時空の中で、女に囁く。
「ケースBの世界よ。」

足元の地面が固まった。暗く涼しいところだった。そこは夜の初夏の山麓。銀河が漆黒の天蓋を彩り、無数の星々が煌(またた)き、きらめく夜空が大地を優しく覆っていた、高原のキャンプ場。黒々とした稜線の、美しい峰々に囲まれた湖畔の、誰もいない展望ロッジで、女は男とたたずんでいた。さわやかな夜風が吹いている。天空には満点の星、澄んだ高原の空気に包まれて、降るような星と月と夜空の下で、男と女は互いの、二人の距離は急速に縮まり、美しい大自然に祝福されながら、二人は、

ずぶうう!!!!
性器が性器を貫いた。
「はひっ!?」 喘ぎながら思わず問いと疑問を叫んだ。

「なんでセックスなんですか!!!!」
「山といえば野外セックスでしょ?」
「違います!!」
「人は山に青姦(あおかん)に来るんでしょ?」
「違います!!」
「山でキノコ狩りするんでしょ? 男の」
「意味間違ってます!! 解っててボケてるでしょ!!」

お相手の彼氏は、今度はさらに知能の低い動物型淫妖獣だ。
ぬちゅうう!!!!
「ひいいいいい!!!!キスしてくるう
ぬるぬるきもちいいけど違うのおおおっ!!」

口唇がなかなかのエロ形状だ。その点は素敵だった。


「お望みと違っていたようね。じゃ、さらに場面転換。ケースCよ。」



昼光溢れる世界に変わった。夏空から太陽の光が降りそそぐ。サンビームが強く照りつける、白いビーチに、ここは南のリゾート・アイランドだ。南風洗うエメラルドグリーンの夏海の波と戯れながら、女は全裸だった。他のリゾート客は獣人ではあったが最低限度の水着ぐらいは付けている。なのに、女はオールヌードでスイミング――

「早く、服を着させて〜〜〜〜!!!! そういえば、わたし、さっきからずっと全裸じゃないですか!!」

「はい。これ着けて。」

Vの字状の、凄いエロ水着だ。まるで紐だ。覆いは肌のごく一部、性器と乳首をわずかに隠しているだけで、ほとんど全裸に変わりないくらいの、破廉恥なエロコスチュームだ。紐水着の極みだ。これではスーパー紐水着ショーだ。やっと出て来た服がこれなのだ。このエロ度合いが女の着衣なのだ。

「なんで…… なんで、こんな服しかないのよ!!!! これ、服なんかじゃないじゃない!! ただの紐よっ! 貧乏人ですか! わたし変態ですか! 露出狂ですか! 何かの罰ゲームですか!」

「ん〜〜 海といえば紐水着よね。それだけ隠せたら十分でしょ。早く着なさい。自慢の肢体が映えるわよ。紐水着はレディのビーチでの正装だってこと、実感できるわ。」
「…………!!!!」

「さらに番外編よ。はいバイブ。はいディルドー。これ着けて港町デート。旅情よね。」
「人をナメてるんですか!!
エロアイテム発表会タイムじゃないです!!
エロアイテムテイストタイムでもないですっ!!
女の子のやりたいことはエログッズ鑑賞会じゃないんですっ!!!!」




そしてケースDの世界へと移動した。真打ちは――、
アミューズメントパーク編である。



「は〜い、恋のライバル登場!」
全裸にネクタイだけを締めただけの、巨体の、見上げるような大男。すばらしい美男だ。淫獣人だったが。
パンツすら穿いていない。見事な男性器をフルに露出させている。
「好きです。付き合ってください。」というような意味の言葉を、謎の言語で言った。いきなり告白タイムである。

だが待ったが入った。そいつも淫獣人だった。
全裸ですごい巨根を、左右にぶらんぶらん激しく揺らし、片手を挙げて走ってくる。

「ああん もお〜 二人共、どっちも、まったくのごめんなさいよ! さっさと帰って!!」

お断りに、ごめんなさいに、傷心の淫獣らは、だがしかし、チン○を振り乱しながらジェットコースターに乗るのは止めてほしかった。
わらわらと現れた他の淫獣人たちも、でっかいチン○ンをぶらぶらさせながら、絶叫系マシンに大挙して乗りこんでゆく。

現代人の常識の埒外にある、とんでもない破戒の淫景だった。都市近郊型遊園地の純粋なる総変態化であった。淫獣系マッチョダンディたちの壮絶なる悪夢であった。

「さっきから、どいつもこいつも、淫獣人じゃないですか!!
人外じゃないですか!! 人間を出してください!」


「ふ〜ん、じゃ、こんなのはどう?」
美青年登場。幼馴染だった。
しかし、肌の色が少し変だ。筋肉が異常発達し、肥大化している。ついでに性器も巨大化している。巨根と化しつつある。膨らんでゆく棹と睾丸の大きさと重量に耐えきれずにパンツが弾け飛んだ。幼馴染は淫獣化しつつあるのだ。全身が止めど無くエロく発達してゆく。

「淫化しつつある幼馴染なんかじゃダメ〜〜〜〜!!!!
もっとフツーの人間がいいです!
ちゃんとした人間を出してよっ!!!!」


怒りに震える女の絶叫が天空へと迸った――。




(つづく)


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